
I was about to take his umbrella out of my bag, but I stopped.
この英文に使われている stop という動詞は目的語がないから自動詞だと思うんだけど、そうすると日本語らしく訳せなくなるんだよなあ。
思い切って他動詞っぽく訳してもいいのかなあ?
こんな不安を抱えながらだと身につかないよなあ・・・。

<回答>
英語の stop は「止める」「やめる」と習いますが、実際の文になると「これ、自動詞? 他動詞?」と迷う場面が多い動詞です。
今回の文 I was about to take his umbrella out of my bag, but I stopped. は、一見シンプルなのに、文法的なツッコミどころがたくさんある良い例文です。
この記事では、日本語訳だけでなく、stop がこの文で自動詞なのか他動詞なのかを、文構造レベルで丁寧に解説していきます。
結論
まずは日本語訳と「stop」の品詞的な立ち位置についてお答えします。
日本語訳
I was about to take his umbrella out of my bag, but I stopped.
「ちょうど彼の傘をカバンから取り出そうとしたところだったが、やめた。」

ここでの I stopped. の stop は、
- 文法的には「自動詞」として使われている
- ただし、意味としては「(その行為を)やめた」=他動詞的なニュアンスを含んでいる
という、少しややこしいポジションにいます。
なぜ「自動詞」なのに「やめた」と訳せるのか
文全体の構造を整理する
まず、文を前半と後半に分けてみます。
- I was about to take his umbrella out of my bag,
- be about to + 動詞原形 =「まさに〜するところだった」
- take his umbrella out of my bag =「彼の傘をカバンから取り出す」
- but I stopped.
- 直訳すると「しかし、私は止まった。」
しかし、日本語としては「止まった」よりも、前半とのつながりを考えて
「しかし、(その行為を)やめた。」
と訳す方が自然です。
「stop」の基本:自動詞と他動詞
stop は、代表的な「自動詞・他動詞の両方で使える動詞」です。
- 自動詞 stop
- 目的語を取らない
- 例:
- The car stopped.
「車が止まった。」
- The car stopped.
- 他動詞 stop + 目的語
- 何かを「やめる/止める」
- 例:
- I stopped the car.
「私は車を止めた。」 - I stopped the music.
「音楽を止めた。」 - I stopped smoking.(stop + 動名詞)
「タバコをやめた。」
- I stopped the car.
今回の I stopped. は、後ろに何も続いていない ので、形としては「自動詞」です。
では、なぜ「行為をやめた」と訳すのか?
ポイントは、前半の文脈がすでに「何をしようとしていたか」を示している ことです。
- 前半:I was about to take his umbrella out of my bag
→ 「彼の傘をカバンから取り出そうとしていた」
その直後に but I stopped. と来れば、

- 「(取り出そうとしていたのを)やめた」
- 「(その行為を)思いとどまった」
と解釈するのが自然です。
英語では、同じ動作が文脈で明らかなとき、あえて繰り返さない ことがよくあります。
もし、あえて他動詞としてハッキリ書くなら:
- …but I stopped myself.
「しかし、私は自分を抑えた/思いとどまった。」 - …but I stopped taking it out.
「しかし、それを取り出すのをやめた。」
などと書くこともできますが、元の文はそこまで言わずに I stopped. とだけ述べて、あとは文脈に委ねています。
図で整理:今回の「stop」の位置づけ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 形(文法上) | 自動詞(目的語なし) |
| 文の形 | I + stopped. |
| 文脈上の意味 | 「(しようとしていた行為を)やめた/思いとどまった」 |
| ニュアンス | 他動詞的な「行為の中止」を含むが、構文は自動詞 |
つまり、
- 構文ラベルとしては「自動詞」
- 解釈・訳としては「行為をやめる」という他動詞的な意味合い
という、文脈依存型の使われ方になっています。
まとめ

こうした「形は自動詞、意味は他動詞的」というグラデーションを意識しておくと、英語の読解も和訳も、ぐっと自然さと精度が上がります。
読者に説明するときも、「文法ラベル」と「文脈上の意味」を分けて示してあげると、混乱を防ぎやすくなります。



コメント